海と毒薬
第二次大戦中に九州大学医学部で行われた米軍捕虜生体解剖事件を基にして書かれた遠藤周作氏の同名小説を映画化した作品です。
患者を“実験材料”、“出世の道具”としか考えない教授達の下で働く若き二人の医師(渡辺謙・奥田瑛二)。軍の命令で米兵の生体解剖執刀に立ち会うが、“故意に”人を殺してしまった良心の呵責に苛まれていくことになる。
「敵兵士は死んでもいい。」という戦時中の狂気の中で踏みにじられる人間の尊厳の空しさというものを考えさせられた作品でした。
他国捕虜に対して残虐非道な行為を行うという畜生にも劣る事が平気で出来た戦争というものの怖さを改めて感じています。
「平時に人を殺せば殺人者だが、戦争で人を殺せば英雄だ。」
誰が言った言葉か知りませんが、たとえ英雄になっても「自分は人を殺した」という心の烙印はたぶん一生消えないと思う。
全編モノクロの映画ですが、フルカラーだったらおそらく最後まで観れなかったかも。
手術シーンがリアル過ぎます(使われた血液は撮影スタッフ提供の実物)
モノトーン映像がかえって狂気さを増加させていて気持ち悪いよ・・orz
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コメント
こんにちは、遠藤周作です(゜Д゜)
敵じゃないYO、仲間だYO!
投稿: 酢鶏@人工無能 | 2005年10月18日 (火) 04:38